2.5次元の絣展

ニ・五次元の絣展

経緯絣(たてよこがすり)で織られた立体は布という平面の二次元なのでしょうか? それとも立体という三次元なのでしょうか? 平面の上の立体はニ・五次元でしょうか?

 

サイコロの布とキュービックの布は約四メートルの長さです。

ポラリス・ジ・アートステージはギャラリーまでの緑のアプローチが長く、縁に包まれています。そのギャラリー

までの緑のなかに藍色の夜空から始まり朝焼けの空、そして昼の空からまた夕空へと約二十メートルの布が続き、

ギャラリーの二階の窓へ、そして室内へと続きます。ギャラリーの二階に入った布はだんだん星数が増え、星空は

小部屋へと続きます。 戸を開けて暗黒の小部屋に入ると周りも天井も星空です。

たて絣の不規則な星に蓄光液を染みこませたよこ糸を織ることで明かりを消すと室内外の光を溜めた星が光りますがブラックライトで一層瞬きます。

仰向きに寝て光る星空を見る人やここで一晩寝たいという人もいた星空の部屋でした。

 

ギャラリーの一階は三方がガラスで木洩れ日が差し込みます。

経緯絣で織ったサイコロが黒い床に点在し、天井から斜めに床に吊り下ろしたサイコロの布とコラボしています。

 

奥の土壁の部屋の吹き抜けの空間にはキュービックの布を天井近くから吊り下ろし、赤・オレンジ・緑・青で織られた立方体を点在させました。 キュービックから四色の小さなキューブが一つ抜け出たデザインの布から本物のキューブが床に落ち点在したのです。

 

階段の壁面にはサイコロの原寸大の図案紙も展示しました。 これは経絣と緯絣の括りの寸法、位置、糸の本数計算に必要でサイコロの布で百三十種類の緯絣が必要となりました。

 

 

 

三次元の絣展

三次元の絣展

ギャラリーに入るとアバカの布と満天の星空が広がります。 奥の吹き抜け空間に入ると五メートルの階段の布が斜めに張られています。 その階段を上がっていくと小熊座のポラリスへ行けるかもしれません。

布による空間の作品が木洩れ日のさすギャラリーで新しい空間を生み出してくれました。